フラクタルガイド
トライコーン(マンデルバー集合)とは?
トライコーンは、マンデルブロ集合の漸化式で複素共役を取ることで生まれるフラクタルです。マンデルバー集合とも呼ばれ、独特の3回対称性が特徴です。

1. トライコーンの定義
トライコーンは、漸化式 z(n+1) = conj(z(n))² + c で定義されます。ここで conj(z) は z の複素共役(虚部の符号を反転させたもの)です。
マンデルブロ集合との唯一の違いは「反復のたびに複素共役を取る」という点です。この小さな変更が、マンデルブロ集合の2回対称性を3回対称性に変え、まったく異なるフラクタルを生み出します。
2. 3回対称性の秘密
マンデルブロ集合は実軸に対して対称(2回対称)ですが、トライコーンは120°回転に対して対称(3回対称)です。これは、複素共役と2乗の組み合わせが3次の対称性を生むためです。
この3回対称性は、集合全体だけでなく、ズームしたときの細部にも現れます。マンデルブロ集合でおなじみのミニチュアコピーが、トライコーンでは3方向に出現する様子が観察できます。
3. マンデルブロ集合との比較
トライコーンの境界はマンデルブロ集合よりも角ばった印象で、尖った突起が3方向に伸びる特徴的な外観をしています。主要な「芽」の形もカルディオイドではなく、三角形に近い形状です。
興味深いことに、マンデルブロ集合の境界をズームインすると、小さなトライコーンが「隠れて」いることがあります。この両者の幾何学的な絡み合いは、複素力学系の深い構造を反映しています。
4. 描画と探索
描画アルゴリズムはマンデルブロ集合とほぼ同じで、違いは各反復で z の複素共役を取る点だけです。計算コストも同程度で、リアルタイムのインタラクティブ探索が可能です。
Tool Paletteのフラクタル・ギャラリーで、3回対称性を確認しながら拡大してみてください。境界付近には、マンデルブロ集合とは異なる独特のフラクタル構造が見つかります。